再就職して、3年半ほど。
2019年7月に、新たな職場で働くことになった。
以前は、一部上場企業で働いていたが、社員300人クラスの企業との大きな違いは、【文化】だと思う。
だから僕たちは、組織を変えていける ―やる気に満ちた「やさしいチーム」のつくりかた | 斉藤 徹 |本 | 通販 | Amazon
という本を、最近、読んだが、以前、働いていた職場は、【学習する組織】だった。
誰かから指図されるわけでもなく、自分たちで考えて、望ましいと思える組織に自分達で変えていっていた。
ヘンテコなルールがあったら、ぶっ潰すし、
みんなで考え、誰かが壁を壊して、より良くしていく文化があった。
マニアックな人が沢山いて、専門知識は自ら身につけ、誰に聞けば良いのか知っていれば、ヒントをもらえることが多くあった。
学習する組織になるかどうかは、各人の自負によるところが大きいと思う。
世界一の商品を作っているとか、そこまでいかなくても、世界中の人々に使ってもらっている、という感覚があると、自ずと責任感が湧いてくる。
#自分の場合は、テキトー人間なので、「もっと責任感を持たんかい!」と何度も指導されて、ようやく世界中に製品を届ける意味を知ったのだけども。
自負があれば、権利を主張するようになる。
こんな製品が作りたかったら、こんな設備が必要だとか、
こんな職場環境が必要だとか。
優秀な人材は、自分の価値を認めてくれるパートナーを望む。
安い給料だと請け負わないし、劣悪な環境だとか、雑作業は勘弁、というように。
そういった価値観を理解できない会社は、優秀な人材を雇用できない。
だから、文化が向上しない、という負のスパイラルに陥ってしまうのだと思う。
再就職して3年半ほどで、こういった違和感を感じまくっている。
より良い方向へ変えていこうと模索しているが、負のスパイラルは簡単には変えられない。
仲間を増やして、徐々に変えていくことを諦めていないけど、
アラフィフになったら、いまさら焦りを感じなくなった。
成熟したのか老化現象なのか???
給料は良いとは言えないけど、
リテラシーの低い人が多いからもあってか、結構、チャレンジできるのが良いところ。
歳をとって、まあまあ生活できる収入源があったら、【世の中の役に立つかどうか】しか関心がない。
世の中の役に立つことをドンドン増やせたら、きっと文化は好転していくだろう、と希望的な観測をしているところ。
求人とマーケティングの4P
求人の面接に行くと、45歳という年齢と、即戦力かどうかを気にされることが多い。
面接を受けた側としたら、この会社に、若くて即戦力の人材が「採用してください」と言ってくることって、どれだけあると思っているのかと不思議に感じることがある。
求人情報を見ている立場からすると、求人への応募は、マーケティングの4Pに似た要領で判断していると思う。
1. Product
扱っている商品。
中高年になると、経験の有無が重視されることが多いと思うので、できるだけ自分が関わってきた商品や業務に近い求人を探すことになる。
できれば、衰退産業の企業は避けたいので、業績も気になる。
いくら早く収入を得たいと思っていても、衰退気味の業界は、求人応募に躊躇する。
2. Price
給料。
生活費を賄えないなら、どんな魅力的な仕事であっても、関心のある業界であっても、応募できない。
3. Place
勤務地。
田舎で交通の便が悪い地域や、通勤時間が長くなる企業は、毎日の生活に関わることなので、非常に気になる。
あと、転勤や出張が多いかどうかも気になる。
首都圏では、片道2時間が当たり前、という話を聞くが、これまで、通勤時間が1時間以内という経験しか無いので、1時間を超える通勤は、自分にとって苦痛が大きくなりそう。
収入を得ないと生活できないので、1時間半なら許容しないと、そもそも求人自体が見つからない、という現実があるんだけれど...
4. Promotion
企業のブランド力。
やはり、認知度の高い会社と、誰も知らない会社とでは、求人の人気が違う。
企業のブランドが高いというのは、高額の宣伝広告を出せる資金力があるかどうかとか、製品の口コミが良いとか、企業が持つ能力を示していると思う。
業界で圧倒的シェア1位の会社と、3位か4位の会社を見比べたら、よほど逆張り好きでない限り、1位の方に就職したいと考えるだろう。
この上記4Pを基準に就職先を探すというのが妥当なら、
扱っている商品に魅力が無く、
給料が低く、
勤務地が不便なところで、
ブランド力が低い企業
は、どうしても求人側にとってのインセンティブが低くなる。
求人のインセンティブが低いにもかかわらず、若くて即戦力の人材を求めるというのは、魚のいないところで釣りをしているのと同じなのではないのかな、と。
ま、人手不足で、どれだけ困っているかによるんだろうけど、本当に困っているなら、4Pで不利にある企業は、選考条件を緩やかにするということを、真剣にお考えになった方が良いと思う。
そして、中高年で即戦力とまではいかない求職者を採用してもらえれば、と。
お父さんは狩りに出る???
公共交通機関の便の悪い地域に住んでいることもあり、余裕を見て、再就職のための面接に出向くと2時間くらい掛かったりする。
内定をもらって通勤するとして、当然、片道2時間かかるわけで、これまで、1時間を超える通勤をしてこなかった自分にとって、通勤時間が長いというのは、かなりシンドイという印象を受けている。
プータローのままではいけないので、ちょっと遠いかな?と思うところまで足を運ぶようにしないと、収入を得られない期間が増えていく。
近場に餌が無いのなら、ちょっと遠くまで行ってみようとするのは、ごく当たり前の話かもしれないけれど、週5日、往復4時間を費やすというのは、かなり非生産的だと思う。
とある技術者派遣の会社では、通勤時間が1時間半を超える場合、寮住まいになるらしい。
特に、残業が多い職場だと、通勤時間の長さは体力・精神の両面でストレスになるので、続けられないということなのだろう、と思う。
技術者派遣の場合、だいたいの派遣先が、大企業の大きな工場を建てられる郊外なので、そもそも交通の便が悪い勤務先になるし、近場に住まないとやってられない、という現実があるだろう。
派遣として働く、ということを視野に入れて、いくつかの企業の面接を受けたが、結局のところ、転勤ありきの人生になってしまう、ということに、ようやく気づいた。
若くて独身だったら、どんなところでも行きまっせ、と気軽に派遣先に行けるのだろうけど、既婚・子持ちだと転勤族になるのは、ハードルが高い。
それと、派遣技術者の一番の不安要素は、自社商品を創出する機会が無い、ということかと思った。
メーカーであれば、とにかく新商品を作ることが使命であり、運良くヒット商品を創出したり、いままで無かったカテゴリーを生み出したりして、マーケットを作ることができる。
マーケットのパイが縮小していけば、報酬の分配が少なくなるわけで、マーケットを創出できない人たちは、報酬の機会が縮小していく。
たとえば、トヨタの業績が悪化したら、間違いなく派遣の仕事は減る。
トヨタが派遣技術者の力を必要とせず、新しいカテゴリーのビジネスを始めた場合、トヨタ社員のボーナスが増えることがあっても、派遣技術者の頭数を増やす必要性が無い。
かなり単純化した例だけども、マーケットを創出できる立場にある者が、生き残る者なのでは???というのが、現時点での感想。
誰かの未来予想では、バーチャルで人がつながり、勤務地なんて関係ねぇ、という時代が来ると言っていて、まだ自分も諦めたわけじゃないけど、常駐技術者派遣という需要が多いのは、SFの世界がまだまだ先の話だからなのでしょう。
逆に言えば、バーチャルで遠隔協業のシステムを普及させる会社は儲けられるのかもしれない。
やっぱり、マーケットを作れる人が優位に立ち、マーケットに支配される人が不利になる。
こんなことを考えていると、誰かが作ったマーケットで収入を得るために遠方へ狩りに出るよりも、近場でマーケットを作る仕事ができたらいいのにな、と思う。
起業のプロは、ギャンブルのプロなのかも。
久々に良い本を読んだ。
STARTUP(スタートアップ):アイデアから利益を生みだす組織
ダイアナ・キャンダー (著), 牧野 洋 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/410507041X
何冊か、事業企画に関連しそうな本を読んでいるが、多くの本は教科書的な内容で、実践的な内容が乏しい。
成功事例について書かれた本は、淡々と事実が書かれているだけで、なぜ成功したのかのエッセンスに乏しい。
教科書や成功例を何度読んでみたところで、成功には近づけない。
結局、何らかの行動をしてみて、何かを学び、たまたま偶然、チャンスが迷いこんできた場合にしか、成功は手に入らないのではないか、と思う。
いろんなビジネスの成功事例はあるが、何かに興味があって、試しに行動してみたら、たまたま成功した、という話が意外と多いような気がする。
成功の陰では、ダメ元で課題に飛び込んでみたり、執念のような心意気があったと思うのだけど、アイデアのヒラメキが無かったら、まず、行動できないし、それが自分にとって賭けてみたいと思える対象と合致していなかったら、粘り強く活動できないだろう。
自分の場合は、安定した収入を捨てて、全てを賭けて、今のところ、脱落者の状態だけれど、もし、ダイアナ・キャンダーさんの本を賭ける前に読んでいたら、脱落しなかったのかもしれない。
売る人と買う人と商品、というビジネスモデルの仮説が検証されないままで、全てを賭けてはいけない。
ギャンブルのプロは、損失を最小限にして、勝てる確率が高い勝負に賭ける。
決して、勝てる見込みがあるかどうかが分からないものには賭けない。
人が生活費を得るためには、誰かの役に立たなければならない。
顧客の偏頭痛級の問題を見つけ、その解決策を見いだし、自分の生活に必要な対価をもらうことが、生きていくために必要な作業となる。
偏頭痛級の問題が大きければ大きいほど、それを解決できる人の報酬は増える。
問題と解決策と対価の条件がクリアできたときにはじめて、生存できる。
無職にならなかったら、こんなことを考えなかっただろう。
無職という失敗を経験したことで、サラリーマン生活では得られなかった知識を得た。
この知識を得たことで、今後できるだけ早く、問題と解決策と対価の条件がクリアできるような状態になれば良いのだけれど。
人の価格
生活をするには、お金が必要。
多くの人は賃労働。
資本家が人と賃労働契約を結び、多くは時間給を支払うことで、事業を営む。
地域差はあるが、最低賃金が800円として、1ヶ月あたり8時間×20日の勤務によって、月給128,000円となる。
この賃金は、生活保護の受給額と近いから、最低賃金で働くよりも、労働0時間で生活保護を受ける方がメリットが大きい計算になってしまう。
こんな賃金水準だと、働くモチベーションわかなくなっても仕方がないけど、資本家側も賃金を増やしたらビジネスが継続できないのかもしれない。
こうやって、人の賃金が、資本家にとってのコストであるならば、この世には、すでに人権なんて存在していないような気がする。
機械化が進めば、少ない労力で生産できるようになり、労働時間は減るはずだったのに、8時間を超えて労働させてはいけないという法律の限界ギリギリの8時間労働が当然だという暗黙の了解が支配している。
「人件費」ではなく、「人権費」という用語が使われるようになれば、労働単価も労働時間も見直そう、という気になるのかも、と。
とはいえ、資本主義社会は弱肉強食社会だから、人々が望むか望まないかにかかわらず、貧富の差は拡大し、強者が支配する構図は変わりようが無い。
弱者は、日々の生活費を、どうやってうまく入手するかを悩み続けるしか無いのだろう。
どこから所得は生まれるか
無職になって、周囲の人々が、どのように生活しているのか、と考えるようになった。
資本家・経営者・年金生活者・生活保護を除く賃労働者の世帯が大半として、超シンプルに、生活費30万円が必要な2つの世帯同士が等価交換をしたとすると、いっこうに資本は増えない。
じゃあ、資本って、どこから生まれて、我々の所得に分配されているのか、というメカニズムを知りたくなった。
しばらくググってみた自分なりの結論は下記。
・生産者が余剰生産する。(ex. 農作物が余分に収穫できるようになる。)
・生産者から職人や商人や役人が分業するようになる。
・余剰生産品が商品として流通することで、資本が増える。
・資本を元手に、投資され、新たな商品が余剰生産される。
・余剰生産されたものが、働いた人々に分配される。
日本の場合、大昔は大部分の人が農民で、村の余剰生産が増えるにしたがって、農具を作る職人、余剰生産物を売買する商人、取り仕切る役人というように分業が進んで、隣村から始まった商圏が広くなり、生産する商品が多品種多量化し、流通量の増加にともなって、資本がますます蓄積され、働きに応じた所得が配分されるようになったのだろう。
給料をもらって生活費を得るのが当然だと思っていると、その生活費という所得がどこから生まれるのかなんて、あまり真剣に考えないだろうし、誰にも教わらなかった。
自分自身、無職になって、初めて疑問を覚えたし。(経済学を学校で習ったら、教わるのかな???)
日本の教育だと、勉強して、良い会社に勤めることが良いことだ、と洗脳され、公務員の学校の先生も賃労働だから、働いた分の給料をもらうことが当然だと思っているがゆえに、義務教育で、賃労働以外の所得獲得方法を教えることができないのは仕方がないことだと思う。
大企業でも終身雇用できなくなるし、定年退職から年金受給までの期間は長くなっていくんだろうけど、40代でもすぐに再就職できないのに、さらに10〜20年後の60代になったときに、どこに働き口があるのだろうか???
自営業できたらいいな、と約半年間、実験をしてみて、失敗に終わってしまったが、やっぱり自力で稼ぐ能力があればいいのに、と思う。
事業を企画するということ。
設計を経験し、企画を経験したら、次は事業を作る仕事ができたらいいな、と思っていた。
いろんな事業の成功事例(スタバ、Dell、インテル、Amazonなど)等の本を読んだりしていたが、うまくいった話だけなので、ふ~んという感想だけで終わっていた。
事業企画のフレームワークなどの情報には目を通していたけれど、それで事業を作れるとは思えなかった。
で、昨日、読んでみたのが、
「ハーバードで学び、私が実践したビジネスプラン」
https://www.amazon.co.jp/dp/456981168X
ハーバードビジネススクールで学んだ岩瀬さんが、ライフネット生命を立ち上げる、というお話。
本の中で書かれている市場分析などは、ある意味、教科書どおりだな、という印象を受けた。
でも、その教科書どおりのことすら、検討していなかったり、そもそも手法を知らなかったりする企業は多いと思う。
結局のところ、「ネットで保険が売れるか?」という仮定を、アンケート調査のクロス集計で検証する、という作業によって、資金集めに成功できたよ、というお話しなのかと思った。
教科書どおりのことを実践することで、ここまでできるんだ、という実例を知ったことは、有意義だった。
では、自分には、何ができるんだろうか、ということを考え始めた。