起業のプロは、ギャンブルのプロなのかも。

久々に良い本を読んだ。

 

STARTUP(スタートアップ):アイデアから利益を生みだす組織
ダイアナ・キャンダー (著), 牧野 洋 (翻訳)

https://www.amazon.co.jp/dp/410507041X

 

何冊か、事業企画に関連しそうな本を読んでいるが、多くの本は教科書的な内容で、実践的な内容が乏しい。

成功事例について書かれた本は、淡々と事実が書かれているだけで、なぜ成功したのかのエッセンスに乏しい。

教科書や成功例を何度読んでみたところで、成功には近づけない。

結局、何らかの行動をしてみて、何かを学び、たまたま偶然、チャンスが迷いこんできた場合にしか、成功は手に入らないのではないか、と思う。

 

いろんなビジネスの成功事例はあるが、何かに興味があって、試しに行動してみたら、たまたま成功した、という話が意外と多いような気がする。

成功の陰では、ダメ元で課題に飛び込んでみたり、執念のような心意気があったと思うのだけど、アイデアのヒラメキが無かったら、まず、行動できないし、それが自分にとって賭けてみたいと思える対象と合致していなかったら、粘り強く活動できないだろう。

 

自分の場合は、安定した収入を捨てて、全てを賭けて、今のところ、脱落者の状態だけれど、もし、ダイアナ・キャンダーさんの本を賭ける前に読んでいたら、脱落しなかったのかもしれない。

売る人と買う人と商品、というビジネスモデルの仮説が検証されないままで、全てを賭けてはいけない。

ギャンブルのプロは、損失を最小限にして、勝てる確率が高い勝負に賭ける。

決して、勝てる見込みがあるかどうかが分からないものには賭けない。

 

人が生活費を得るためには、誰かの役に立たなければならない。

顧客の偏頭痛級の問題を見つけ、その解決策を見いだし、自分の生活に必要な対価をもらうことが、生きていくために必要な作業となる。

偏頭痛級の問題が大きければ大きいほど、それを解決できる人の報酬は増える。

問題と解決策と対価の条件がクリアできたときにはじめて、生存できる。

 

無職にならなかったら、こんなことを考えなかっただろう。

無職という失敗を経験したことで、サラリーマン生活では得られなかった知識を得た。

この知識を得たことで、今後できるだけ早く、問題と解決策と対価の条件がクリアできるような状態になれば良いのだけれど。

 

人の価格

生活をするには、お金が必要。

多くの人は賃労働。

資本家が人と賃労働契約を結び、多くは時間給を支払うことで、事業を営む。

地域差はあるが、最低賃金が800円として、1ヶ月あたり8時間×20日の勤務によって、月給128,000円となる。

この賃金は、生活保護の受給額と近いから、最低賃金で働くよりも、労働0時間で生活保護を受ける方がメリットが大きい計算になってしまう。

こんな賃金水準だと、働くモチベーションわかなくなっても仕方がないけど、資本家側も賃金を増やしたらビジネスが継続できないのかもしれない。

 

こうやって、人の賃金が、資本家にとってのコストであるならば、この世には、すでに人権なんて存在していないような気がする。

機械化が進めば、少ない労力で生産できるようになり、労働時間は減るはずだったのに、8時間を超えて労働させてはいけないという法律の限界ギリギリの8時間労働が当然だという暗黙の了解が支配している。

「人件費」ではなく、「人権費」という用語が使われるようになれば、労働単価も労働時間も見直そう、という気になるのかも、と。

 

とはいえ、資本主義社会は弱肉強食社会だから、人々が望むか望まないかにかかわらず、貧富の差は拡大し、強者が支配する構図は変わりようが無い。

弱者は、日々の生活費を、どうやってうまく入手するかを悩み続けるしか無いのだろう。

 

どこから所得は生まれるか

無職になって、周囲の人々が、どのように生活しているのか、と考えるようになった。

資本家・経営者・年金生活者・生活保護を除く賃労働者の世帯が大半として、超シンプルに、生活費30万円が必要な2つの世帯同士が等価交換をしたとすると、いっこうに資本は増えない。

じゃあ、資本って、どこから生まれて、我々の所得に分配されているのか、というメカニズムを知りたくなった。

 

しばらくググってみた自分なりの結論は下記。

・生産者が余剰生産する。(ex. 農作物が余分に収穫できるようになる。)

・生産者から職人や商人や役人が分業するようになる。

・余剰生産品が商品として流通することで、資本が増える。

・資本を元手に、投資され、新たな商品が余剰生産される。

・余剰生産されたものが、働いた人々に分配される。

 

日本の場合、大昔は大部分の人が農民で、村の余剰生産が増えるにしたがって、農具を作る職人、余剰生産物を売買する商人、取り仕切る役人というように分業が進んで、隣村から始まった商圏が広くなり、生産する商品が多品種多量化し、流通量の増加にともなって、資本がますます蓄積され、働きに応じた所得が配分されるようになったのだろう。

 

給料をもらって生活費を得るのが当然だと思っていると、その生活費という所得がどこから生まれるのかなんて、あまり真剣に考えないだろうし、誰にも教わらなかった。

自分自身、無職になって、初めて疑問を覚えたし。(経済学を学校で習ったら、教わるのかな???)

 

日本の教育だと、勉強して、良い会社に勤めることが良いことだ、と洗脳され、公務員の学校の先生も賃労働だから、働いた分の給料をもらうことが当然だと思っているがゆえに、義務教育で、賃労働以外の所得獲得方法を教えることができないのは仕方がないことだと思う。

 

大企業でも終身雇用できなくなるし、定年退職から年金受給までの期間は長くなっていくんだろうけど、40代でもすぐに再就職できないのに、さらに10〜20年後の60代になったときに、どこに働き口があるのだろうか???

 

自営業できたらいいな、と約半年間、実験をしてみて、失敗に終わってしまったが、やっぱり自力で稼ぐ能力があればいいのに、と思う。

 

事業を企画するということ。

設計を経験し、企画を経験したら、次は事業を作る仕事ができたらいいな、と思っていた。

いろんな事業の成功事例(スタバ、DellインテルAmazonなど)等の本を読んだりしていたが、うまくいった話だけなので、ふ~んという感想だけで終わっていた。

事業企画のフレームワークなどの情報には目を通していたけれど、それで事業を作れるとは思えなかった。

 

で、昨日、読んでみたのが、

「ハーバードで学び、私が実践したビジネスプラン」

https://www.amazon.co.jp/dp/456981168X

 

ハーバードビジネススクールで学んだ岩瀬さんが、ライフネット生命を立ち上げる、というお話。

本の中で書かれている市場分析などは、ある意味、教科書どおりだな、という印象を受けた。

でも、その教科書どおりのことすら、検討していなかったり、そもそも手法を知らなかったりする企業は多いと思う。

 

結局のところ、「ネットで保険が売れるか?」という仮定を、アンケート調査のクロス集計で検証する、という作業によって、資金集めに成功できたよ、というお話しなのかと思った。

 

教科書どおりのことを実践することで、ここまでできるんだ、という実例を知ったことは、有意義だった。

では、自分には、何ができるんだろうか、ということを考え始めた。

 

45歳で再就職できなかったら。

世間が、45歳のおっさんを、そこそこの待遇で雇用できないのだとしたら、そこそこの待遇を諦めることを考えないといけないのだろう。

自分自身としては、回路設計を約10年、商品企画を約10年やったので、次は事業を作る仕事がしてみたいと思って、大企業から飛び出した。

そして、いろいろあって、現在、求職中。

 

結局、大企業で約25年も働いたとしても、失業しちゃったら、よほどのスキルか人間関係かが無かったら、市場価値は無いんだなぁ、という実感。

今は、大企業だってリストラするし、どんな会社で働いたとしても、未来は制御できないわけで、いつ不本意な状況に陥るのは分からない。

 

ということで、求人情報を検索しつつ、自分で事業を作るにはどうすれば良いか、を考え中。

といっても、やっぱり、どうしたら良いのかサッパリわからないので、近くにある図書館で、いくつか本を読んでみた。

 

① ゼロ・トゥ・ワン

https://www.amazon.co.jp/dp/4140816589

ペイパルマフィアのピーター・ティールさんの本。

この本の中で、どうやってペイパルを作ったかは、あまり書かれていなかったが、弁護士資格を持つティールさんが、暗号化技術を持つマックス・レブチンさんのスキルに投資して、ebayの決済に用いて成功したとのこと。

「実際に存在しているけれども誰も気づいていない価値」を創出して独占すべし、という内容だと思うのだけど、ペイパルなどのテクノロジー企業は、やっぱり優れたスキルが無いと厳しいなぁ、という印象。

 

② 新しい市場のつくりかた

https://www.amazon.co.jp/dp/4492522050/

新しい市場を作るとは、新しい文化を作ること、というお話。

ウォシュレットや水泳帽、首を曲げなくても飲めるコップや革製のケータイストラップというように、興味深い事例は読んでいて楽しいが、これまた商品を作れるスキルが無いとできないよね、という印象。

 

③ 1万円起業

https://www.amazon.co.jp/dp/4864102708

失業中に、マットレスが余って困っていると聞き、それを売って起業した、という話を読んだときは、スキルがなくても起業できるのかな?と思ったが、それ以降の事例(地図のデザイン、航空チケット購入の代行、Evernote活用法など)は、スキルが無いと無理なのかなぁ、と感じた。

マットレスの販売にしても、失業する前に営業をしていたことがスキルのベースになっているように思うし、結局、何かしらスキルが無かったら難しそう。

 

ピーター・ティールさんのように、投資資金を集められる能力があれば、スキルに投資するという選択肢もあるんだろうけど、資金集めの能力もスキル、ということになる。

プロになるには、10,000時間が必要というが、回路設計・商品企画でそれぞれ約10年の業務経験がある自分は、今のところ、再就職にあたって評価されていない。

 

「好きこそものの上手なれ」との言葉どおり、そこそこの待遇という見返りを度外視して、やってみたいことにチャレンジした方が良いのかも、と思い始めた。

人生100年時代の生きにくさ

約25年間、勤務した一部上場企業からベンチャー企業に転職するも、自己都合で退職し、現在、求職中。

ネットで求人情報を探しているが、こんなにも収入を得るのが難しいのか、ということを、45歳という年齢となってはじめて実感している。

 

45歳という年齢にもなると、企業は即戦力を求める。

いわゆる「経験者募集」というやつだけれど、企業が求めるピッタリはまる経験者が見つかることはあるのだろうか、と思う。

現在の職場で、多少の不満はあったとしても、大きな問題がなく働いていれば、転職しようという気にもならないし、新しい環境に移るのにはリスクもあるのだから、よほどのインセンティブが無いことには、「経験者募集」の求人に応募しないはず。

 

企業は40代よりも、若い人材を欲しがる傾向があると思うけれど、この不確実性の高い時代に、5年先や10年先を見据えて教育コストをかけてまで、より若い人材を雇用するのが、本当に得策なのだろうか、とも思う。

 

リンダ・グラットンさんの「LIFE SHIFT」という書籍では、中高年で学び直して、新しいキャリアを作るということが書かれているようだが、その新しいキャリアに需要が無ければ収入源を得られない。

 

今、自分のスキルに需要が無いから、企業が求める求人とマッチしない、という現実に直面している。

寿命が延びるということは、不確実性と接する機会が増えるということだし、ますます安心感が遠のいて、生きにくくなる、ということなのかなぁ、と...