求人とマーケティングの4P
求人の面接に行くと、45歳という年齢と、即戦力かどうかを気にされることが多い。
面接を受けた側としたら、この会社に、若くて即戦力の人材が「採用してください」と言ってくることって、どれだけあると思っているのかと不思議に感じることがある。
求人情報を見ている立場からすると、求人への応募は、マーケティングの4Pに似た要領で判断していると思う。
1. Product
扱っている商品。
中高年になると、経験の有無が重視されることが多いと思うので、できるだけ自分が関わってきた商品や業務に近い求人を探すことになる。
できれば、衰退産業の企業は避けたいので、業績も気になる。
いくら早く収入を得たいと思っていても、衰退気味の業界は、求人応募に躊躇する。
2. Price
給料。
生活費を賄えないなら、どんな魅力的な仕事であっても、関心のある業界であっても、応募できない。
3. Place
勤務地。
田舎で交通の便が悪い地域や、通勤時間が長くなる企業は、毎日の生活に関わることなので、非常に気になる。
あと、転勤や出張が多いかどうかも気になる。
首都圏では、片道2時間が当たり前、という話を聞くが、これまで、通勤時間が1時間以内という経験しか無いので、1時間を超える通勤は、自分にとって苦痛が大きくなりそう。
収入を得ないと生活できないので、1時間半なら許容しないと、そもそも求人自体が見つからない、という現実があるんだけれど...
4. Promotion
企業のブランド力。
やはり、認知度の高い会社と、誰も知らない会社とでは、求人の人気が違う。
企業のブランドが高いというのは、高額の宣伝広告を出せる資金力があるかどうかとか、製品の口コミが良いとか、企業が持つ能力を示していると思う。
業界で圧倒的シェア1位の会社と、3位か4位の会社を見比べたら、よほど逆張り好きでない限り、1位の方に就職したいと考えるだろう。
この上記4Pを基準に就職先を探すというのが妥当なら、
扱っている商品に魅力が無く、
給料が低く、
勤務地が不便なところで、
ブランド力が低い企業
は、どうしても求人側にとってのインセンティブが低くなる。
求人のインセンティブが低いにもかかわらず、若くて即戦力の人材を求めるというのは、魚のいないところで釣りをしているのと同じなのではないのかな、と。
ま、人手不足で、どれだけ困っているかによるんだろうけど、本当に困っているなら、4Pで不利にある企業は、選考条件を緩やかにするということを、真剣にお考えになった方が良いと思う。
そして、中高年で即戦力とまではいかない求職者を採用してもらえれば、と。