45歳で再就職できなかったら。

世間が、45歳のおっさんを、そこそこの待遇で雇用できないのだとしたら、そこそこの待遇を諦めることを考えないといけないのだろう。

自分自身としては、回路設計を約10年、商品企画を約10年やったので、次は事業を作る仕事がしてみたいと思って、大企業から飛び出した。

そして、いろいろあって、現在、求職中。

 

結局、大企業で約25年も働いたとしても、失業しちゃったら、よほどのスキルか人間関係かが無かったら、市場価値は無いんだなぁ、という実感。

今は、大企業だってリストラするし、どんな会社で働いたとしても、未来は制御できないわけで、いつ不本意な状況に陥るのは分からない。

 

ということで、求人情報を検索しつつ、自分で事業を作るにはどうすれば良いか、を考え中。

といっても、やっぱり、どうしたら良いのかサッパリわからないので、近くにある図書館で、いくつか本を読んでみた。

 

① ゼロ・トゥ・ワン

https://www.amazon.co.jp/dp/4140816589

ペイパルマフィアのピーター・ティールさんの本。

この本の中で、どうやってペイパルを作ったかは、あまり書かれていなかったが、弁護士資格を持つティールさんが、暗号化技術を持つマックス・レブチンさんのスキルに投資して、ebayの決済に用いて成功したとのこと。

「実際に存在しているけれども誰も気づいていない価値」を創出して独占すべし、という内容だと思うのだけど、ペイパルなどのテクノロジー企業は、やっぱり優れたスキルが無いと厳しいなぁ、という印象。

 

② 新しい市場のつくりかた

https://www.amazon.co.jp/dp/4492522050/

新しい市場を作るとは、新しい文化を作ること、というお話。

ウォシュレットや水泳帽、首を曲げなくても飲めるコップや革製のケータイストラップというように、興味深い事例は読んでいて楽しいが、これまた商品を作れるスキルが無いとできないよね、という印象。

 

③ 1万円起業

https://www.amazon.co.jp/dp/4864102708

失業中に、マットレスが余って困っていると聞き、それを売って起業した、という話を読んだときは、スキルがなくても起業できるのかな?と思ったが、それ以降の事例(地図のデザイン、航空チケット購入の代行、Evernote活用法など)は、スキルが無いと無理なのかなぁ、と感じた。

マットレスの販売にしても、失業する前に営業をしていたことがスキルのベースになっているように思うし、結局、何かしらスキルが無かったら難しそう。

 

ピーター・ティールさんのように、投資資金を集められる能力があれば、スキルに投資するという選択肢もあるんだろうけど、資金集めの能力もスキル、ということになる。

プロになるには、10,000時間が必要というが、回路設計・商品企画でそれぞれ約10年の業務経験がある自分は、今のところ、再就職にあたって評価されていない。

 

「好きこそものの上手なれ」との言葉どおり、そこそこの待遇という見返りを度外視して、やってみたいことにチャレンジした方が良いのかも、と思い始めた。

人生100年時代の生きにくさ

約25年間、勤務した一部上場企業からベンチャー企業に転職するも、自己都合で退職し、現在、求職中。

ネットで求人情報を探しているが、こんなにも収入を得るのが難しいのか、ということを、45歳という年齢となってはじめて実感している。

 

45歳という年齢にもなると、企業は即戦力を求める。

いわゆる「経験者募集」というやつだけれど、企業が求めるピッタリはまる経験者が見つかることはあるのだろうか、と思う。

現在の職場で、多少の不満はあったとしても、大きな問題がなく働いていれば、転職しようという気にもならないし、新しい環境に移るのにはリスクもあるのだから、よほどのインセンティブが無いことには、「経験者募集」の求人に応募しないはず。

 

企業は40代よりも、若い人材を欲しがる傾向があると思うけれど、この不確実性の高い時代に、5年先や10年先を見据えて教育コストをかけてまで、より若い人材を雇用するのが、本当に得策なのだろうか、とも思う。

 

リンダ・グラットンさんの「LIFE SHIFT」という書籍では、中高年で学び直して、新しいキャリアを作るということが書かれているようだが、その新しいキャリアに需要が無ければ収入源を得られない。

 

今、自分のスキルに需要が無いから、企業が求める求人とマッチしない、という現実に直面している。

寿命が延びるということは、不確実性と接する機会が増えるということだし、ますます安心感が遠のいて、生きにくくなる、ということなのかなぁ、と...